大抵の人が長時間この姿勢で座り続けるのはツラいと思います。
日本人と他の地域・文化圏の人たちとの骨格の違いに興味をもちネットサーフィンをしていたらこのような文献が、→Minpaku Repository > 国立民族学博物館研究報告 > 8巻4号: セネガルの舞踊と日常動作の関連に関する研究ノート
文献では次のように述べられています。
以下引用
それは赤ん坊のおんぶの仕方である。母親が赤ん坊を背負う位置は, たとえば日本でのそれに比べるとはるかに低い。赤ん坊の尻は母親の臀部のすぐ上あたりにまでおちているのである。極端にいえば,赤ん坊は背負われているというより, 母親の尻の突出部にのせられている感さえある。したがって赤ん坊の頭部は日本でのように母親の首のつけ根あたりではなく, 肩胛骨の下あたりに位置している。母親はおんぶするために長方形の一枚の布を用いる。赤ん坊をくるんだ布の上端は母親の乳房 すぐ上で結びあわされ,下端は乳房の下,腹部で結ばれるか, あるいは結ぶこともなく前であわせられただけになっている。母親が布を強く結ぶと, 赤ん坊の頭部は下顎を背中におしつけた状態で上を向いているか, あるいは左右どちらかに向けられたまま動かない状態になる。注意しなければならないのは赤ん坊の骨盤と脚部が作る角度の鋭さである。赤ん坊の両脚は下方に落した尻から上方に向けて高くはねあげた状態で母親の腰にまきつけられている。つまり, 西アフリカの人々は幼児期から腰を深くまげるための訓練が日常的になされているといってもよい。赤ん坊は脚を高くあげる姿勢が習慣になっている結果であろうか, おんぶではなく,母親の横腰にのせられている時ですら, 脚は上体に対して直角以下にまげられている。引用終わり
幼児期に訓練されたこの姿勢は人々のその後の日常労働における姿勢と無関係ではないであろう。たとえば人々は両足をそろえて前方に投げだし, 背もたれもなく長時問座って手作業をすることを苦痛としない。さらに, 柄のない手箒を使って屋内外の掃除をする時の姿勢, 洗濯をする時の姿勢, 短い柄の鍬を用いての農作業をする時の姿勢についても同様のことがいえる。いずれの時においても脚はまっすぐにのばしたまま, 腰の部分で上体を深く折りまげ, 背筋もぴんとはった姿勢がとられている。彼らにとって, 腰を深くまげるという姿勢は苦痛ではなく, むしろそうすることが楽だからこそその姿勢をとっていると考えられるのである。
文献を読んで思ったのは、骨格の違いが遺伝などによる先天的なものだけではなく、文化的な要因による後天的に備わったものでもあるということです。
後天的に身に着けることが出来るのなら私にも出来るハズだ!
そう思い(無理やり思い込み)最近床に座るときは長座を心がけているのですが(いまさら誰かにおんぶしてもらう訳にはなりませんから…)どうなるやら。
おんぷと言えば子供を背負っている人は滅多に見かけなくなりました、ショッピングモール等を歩いていても子供たちは皆ベビーカーに乗せられています、ベビーカーと言うと最近は炎上のネタになったりしますが、私にはベビーカーは悪い姿勢製造機に見えます、保護者の身体的負担は減りますが…。
※アフリカ式おんぶ、アフリカ流おんぶで検索するとおんぶのことが色々出てきますね。