ワラーチランニング・ウォーキングにおける鼻緒の痛みと「引き」の感覚

ワラーチランニングにおける鼻緒の痛みと「引き」の感覚


痛み・違和感は先生の声?

ワラーチやランニングサンダルを履いていると、母趾と第二趾間の股部分に違和感・痛み(皮むけ)を感じる人がいる。

片側だけ痛くなる人がいる。

両側とも痛くなる人がいる。

その様な違和感を全く感じない人もいる。

幸か不幸か、自分は違和感を感じる人だった。

面白いと思うのは、この部分の違和感は靴を履いていても、裸足でも感じ得ない感覚だということ。


なぜ痛い?

ヒモがそこに強く当たるから、単純である。

だが、ヒモの締め過ぎ(リンク参照)、素材選び、通し方、結び方などの対策をしても痛みや違和感が無くならないことがある。

根本的な解決になっていないということ。シューズと裸足の関係の様でもある。

足の滑り、が残った。足が鼻緒を押している、強く。

余談だが、最近の研究によると腰痛は「痛みへの恐怖」から脳が痛みを作ったり、痛みを過剰に感じさせたりしているということも言われている。精神と身体の相互作用は神秘的だが現実。


自分の場合…

違和感は左側にあった。骨格の歪みなのか動作の癖なのか真実は判らない(癖であって欲しいと願っているが…)。

着地直前の対地速度が右足は低く(後退する地面との速度差が小さい)左足は高い(後退する地面との速度差が大きい)。よって左足のうける着地衝撃は大きい。

感覚的には右足は地面を引きながら、左足は地面を押しながら着地しているということになる。ワラーチ上で左足は前方へ滑り、鼻緒を強く押していることになる。

脚部(末端)の無駄な力みが一因であることはわかっていたが、上手な力の抜き方に辿り着けないでいた。

「ララ♪引っ張り」や「左右ボール投げ」で中心から末端へ向けてタイミング良く筋肉を弛めていく感覚が少しづつ身に付きつつあった。

タイミング良く筋肉を弛めていくことが出来ると「引き」を感じる様になった。(「回旋」要素の顕在化もあるが、ややこしくなるので今回は割愛する。)

そしてタイミング良く腹部(鳩尾とヘソの間辺り)を弛めることで脚部が「引っ張られる」感覚を得られるということが解った。


「引き」とは?

「引き」の感覚は裏を返せば、逆側から「引っ張られる」感覚とも言える。

「引き」を感じるのは、ある動作の運動方向に対し大まかに「逆方向の力を加える」、「タイミング良く脱力する」の2つがある。

気持ち良いのは後者だが、両者の間には無限にバリエーションがあり、どの「引き」が選択されるかは、行う動作の質や局面、熟練度や洗練度などで変化する。


脱力のタイミングなど

支持脚の足はアキレス腱の伸張反射により跳ね上げられて離地となるが、このタイミングで腹部(鳩尾とヘソの間辺り)が弛んでいることが肝要であるように思う※1。

腹部を弛めると脚部を持ち上げることが出来なくなるが、代償として胸が先行する動作が発生する。これにより鳩尾下から爪先までが脱力※2したままぶら下げられた状態で前方へ振り出される(跳ね上げられた後の足の落下を伴いつつ)。この時「引っ張られる」感覚が発生する。

着地するまで鳩尾下から爪先までの脱力をキープできれば※1気持ち良い「引き」の着地となる。着地まで脱力をキープ出来ないと「押し」の着地になる。

※1:意外と難しい。恐怖、先入観、無知などが原因か?

※2:脱力したままの伸展動作には様々な恩恵があると思われる。


今回は主に「引き」の感覚に焦点を絞ったが、これはほんの1局面でしかないし最終形であるとも思わない、現時点(2015/08/22)で良いのではないか?という動きである。「引き」の感覚を引き出すには「姿勢」が大切であり、「引き」の感覚を活かすには「回旋」などの感覚も身に付ける必要がある。